【視聴チケット】ストリーミング視聴チケット/プログラムPDF
【応援視聴チケット】ストリーミング視聴チケット/プログラムPDF/返礼品:楽曲ファイル2種
※応援チケットご購入の方へのお礼としてダウンロード可能な楽曲ファイルは、
メディオ・レジストロのCD「スパニッシュ・プログレッシヴ・バロック」のトラック16から「フランシスコ・コレア・デ・アラウホ:ソプラノの分割ストップのための第10旋法によるティエント」の別バージョン(Alternate Mix)、
2020年3月2日のライヴ「Música Progresiva en la España Barroca 3」より、「Anonimus : Batalla Famossa作者不詳:戦い」となります。
■スパニッシュ・プログレッシヴ・バロック 4
Música progresiva en la España Barroca 4
メディオ・レジストロ with 辻田暁
Medio Registro with Aki Tsujita
■公演日時:2021年12月26日(日)
■収録会場:浜離宮朝日ホール 音楽ホール
助成:文化庁AFF
協賛:メディアファイブ株式会社
後援:スペイン大使館
協力:ビーフラット・ミュージックプロデュース
主催:メディオ・レジストロ
-演奏-
古橋 潤一(リコーダー)/川久保 洋子(バロックヴァイオリン)/大西 律子(バロックヴァイオリン)/丹沢 広樹(バロックヴァイオリン&バロックヴィオラ)/西沢 央子(バロックチェロ&ヴィオローネ)/西澤 誠治(コントラバス)/能登 伊津子(ポジティブオルガン)/梅津 樹子(チェンバロ)/近藤 郁夫(パーカッション)
-メディオ・レジストロ主宰の古橋潤一氏による解説-
本公演は文化庁AFFの助成を受けMedio Registroが主催し、2021年12月26日に開催されたものである。
「スパニッシュ・プログレッシヴ・バロック」は「メディオ・レジストロ」が2016年に発表したアルバムのタイトルで、このタイトルのコンサートをシリーズで開催している。今回はその第4回目になる。
スペインのこの時代の器楽曲は、パイプオルガンの為のものとビウエラ・ダ・マーノ(ギターに似た、しかしギターとは異なる楽器)の為のものしか殆ど残されていない。したがって、私たちのグループが演奏している曲は、ほぼ全てがオルガン曲を合奏曲に編曲したものだ。
しかしながら、訳あって他の器楽曲や合奏曲が残されていなくても、楽器は存在したわけで、作曲家の頭の中では合奏曲が鳴っていたことは想像にかたくない。事実、オルガン曲の中には「これは両手両足を駆使したとしても弾ききれるものなのか?」と思ってしまう曲も存在する。
編曲者である自分がこれを言ってしまうと手前味噌もいいところだが、器楽合奏用に編曲すると確実に素晴らしさが判る曲もあるのは間違いないと思う。もちろん、それが実感できるのも、ひとえに素晴らしい共演者の演奏があるからである。
また、今回の目玉ゲストはダンサーの辻田暁氏だ。ダンサーであり、俳優でもあり、振付師でもある彼女が、僕の思い描く音楽像をとてもよく理解して、それに添った振り付けを考えてくださったこと、そしてしなやかで美しく、時に力強いパフォーマンスをしてくださったことに心から感謝する。
辻田氏と知り合ったのは2018年。北とぴあのオペラ「ウリッセの帰還」で共演したことがきっかけだった。その時も素晴らしいダンスに見惚れ、自分の演奏のタイミングを間違えそうになった。打ち上げの時に差し上げたCDを褒めてくださったのをこれ幸いと「いつか僕たちのバンドでも踊って下さい!」とお願いした。しかし中々その機会を作ることはできなかった。2021年文化庁がAFFという補助金を打ち出してくれたおかげで3年越しの夢を実現できた。
本当に素晴らしい辻田氏のパフォーマンスのおかげで、素晴らしい舞台に仕上がっている(と思う)
バンドのメンバーたちも大変素晴らしいメンバーだ。実は、コロナの影響があり、フランスから帰国してくれたコンミスの川久保氏が、隔離期間が伸びたことによってリハーサルに2回しか参加できないことになってしまった。しかも毎回誰かが参加不可能な状況で、全員そろったリハーサルは結局前日の1回のみだった。あまり裏事情を話すものではないのは解ってるが、あのヘンテコな編曲をそのリハーサル回数でこなしてしまった、このメンバーは本当に馬鹿げている!素晴らしすぎると思う。
映像を見て改めて思うことは、この演奏会は全て、このメンバーだから成り立っていた舞台で、本当なら一期一会の刹那の出来事だった。それをKOSSACK OMFの小坂氏やFLYING MOTUSをはじめとする優秀な録音、録画のスタッフの皆さんのおかげで、配信という形で再度観ることができるのだ。ルネサンス音楽?バロック音楽?そんな敷居を取り払って、楽しんでほしい。何なら片手にポップコーンやポテチを持って。
Medio Registro(メディオ・レジストロ)
桐朋学園大学音楽学部古楽器科において教鞭をとるリコーダー奏者の古橋潤一、数多くのアンサンブルで、ソリスト、通奏低音奏者を務めるオルガニストの能登伊津子、東京学芸大学で教鞭をとり、近年ではハルモニウム奏者としても活躍するチェリストの西沢央子の3人によって、17世紀イタリア&スペインの音楽を演奏するのを主目的として結成された古楽アンサンブル。ヴァイオリン、パーカッション等、数人のゲスト演奏者を迎え、定期的に演奏会を開催している。特に近年は17~18世紀スペインの楽曲の演奏に力を注いでおり、オルガン曲の編曲を集めたCD「スパニッシュ・プログレッシヴ・バロック」(レコード芸術 準特選盤)をリリースすると、レコード芸術誌、CDジャーナル誌、NHK-FM等、多数のメディアで取り上げられ絶賛された。またスペイン大使館でも演奏会を催し、好評を博した。今回の演奏会もそのシリーズ第4弾である。
また今回は、初めての試みとしてダンサーの辻田暁(つじたあき)氏をお迎えして、ダンスとのコラボに挑戦する。
ゲスト演奏者は、川久保洋子(Vn)大西律子(Vn)丹沢広樹(Va)西澤誠治(Viol)梅津樹子(Cem)近藤郁夫(Perc)の各氏。いずれも日本屈指の演奏家である。
http://medioregistro.blog.fc2.com/
古橋 潤一(リコーダー)
桐朋学園大学音楽学部古楽器科卒業。リコーダーを花岡和夫、山岡重治、吉澤実、濱田芳通の各氏に師事。ドルツィアンを堂阪清高、ヨセフ・ボラースの各氏に師事。室内楽を有田正広、故・本間正史、有田千代子、故・中野哲也の各氏に師事。第30回ブル-ジュ国際古楽コンク-ル入選。日本の主要古楽器アンサンブルのメンバーとして音楽祭、演奏会に出演。 CDの録音にも多数参加している。17世紀イタリア・スペインの音楽を主に演奏するアンサンブル、メディオ・レジストロ主宰。また、その時代の楽譜の出版も手掛けている。CD『メディオ・レジストロ』『スパニッシュ・プログレッシヴ・バロック』リリース。2017年にはスペイン大使館にて演奏会を開催し好評を博した。また、2022年には松竹制作の舞台「陰陽時 生なり姫」の音楽監督、編曲、演奏などをつとめ、活動の幅を広げている。桐朋学園大学古楽器科非常勤講師。
ゲストプロフィール
辻田 暁(ダンサー・俳優)
6歳よりクラシックバレエをはじめる。桜美林大学卒業。演劇を平田オリザ、コンテンポラリーダンスを木佐貫邦子に師事。振付家としても活動。“ものを言う身体”を自身の表現のテーマとする。人形劇、オペラ、クラシック音楽、映像など、異なるジャンルとのコラボレーションを積極的に行い、身体表現の可能性を追究している。
これまで、テレーサ・ルドヴィコ、小野寺修二、ヤン・ジョンウン、扇田拓也、波多野睦美、ステファン・ウィンター、広崎うらん等の作品に出演。
主な出演作に、
「旅とあいつとお姫さま」お姫さま役、「ピノッキオ」ピノッキオ役(以上、演出:テレーサ・ルドヴィコ/座・高円寺)、「ペールギュント」ボタン作り役(演出:ヤン・ジョンウン/世田谷パブリックシアター)、カンパニーデラシネラ「分身」(演出:小野寺修二/世田谷パブリックシアター)、ダンス×人形劇「エリサと白鳥の王子たち」エリサ役(演出:扇田拓也/日生劇場)、オペラ「ウリッセの帰還」(演出:小野寺修二/北とぴあ)、ダンス×人形劇「ひなたと月の姫」ひなた役(演出:広崎うらん/日生劇場)、
他、波多野睦美、ステファン・ウィンターとのコラボレーション等。
※辻田 暁さんの「辻」の漢字は、正式には"しんにょう"の点が1点のものとなります。
■曲目
1.Sebastián Aguilera de Heredia : Pange Lingua
セバスティアン・アギレラ・デ・エレディア:パンジェ・リングァ
2.Juan Cabanilles : Tiento de Batalla de quinto tono punto baxo
ファン・カバニーリェス:第5旋法による戦いのティエント
3.Francisco Correa de Arauxo : Quarto Tiento de medio registro de tiple de septimo tono
フランシスコ・コレア・デ・アラウホ:高音部の分割ストップによる第7旋法の4番めのティエント
4.Juan Cabanilles : Corrente Italiana
J.カバニーリェス:コレンテ イタリアーナ
5.Juan Cabanilles : Tiento de contras de quarto tono
J.カバニーリェス:第4旋法による足鍵盤付きティエント
——Pause——
6.Juan Cabanilles : Difarensias de Folias
J.カバニーリェス:フォリアのテーマによる変奏曲
7.Juan Cabanilles : Tiento de batalla de quinto tono
ファン・カバニーリェス:第5旋法による戦いのティエント
8.Juan Cabanilles : Pasacalles tercer tono
J.カバニーリェス:第3旋法によるパッサカーリェス
9.Juan Cabanilles : Tiento de contras de primero tono
J.カバニーリェス:第1旋法による足鍵盤付きティエント
アンコール
Andrea Falconiero : Xaveria
アンドレア・ファルコニエロ:ハベリア
なお、メディオ・レジストロでは本年も10月21日、12月22日の2回、AFF2の助成による演奏会を予定している。
10月は2人のソプラノ歌手を迎えてイタリア初期バロックの曲を集めた演奏会、12月はスパニッシュ・プログレッシヴ・バロック5として、朝岡聡氏をゲストに迎え、スペイン文学とスペイン音楽の融合を模索した舞台を計画している。
詳しくはメディオ・レジストロのブログにて(古橋)